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【コラム】逃すな確定申告!上場株式等の損失繰越控除(連載3/3)

株式会社プロFPJapan所属・プロFP富田です。

さて、連載三回目、最終回になります。株式等損失繰越控除制度のお話をさせていただきます。
(前回第一回のお話はこちら!)
(前回第二回のお話はこちら!)


 では、ここまで、みてきましたが、繰越譲渡損失控除の確定申告をするにあたって、一点、注意点がありますので、それにも触れておきましょう。

 これも例をあげながら説明してみましょう。

 ある専業主婦の方がいらっしゃるとします。

 旦那さんはサラリーマンで、奥さんはパート等の収入はなく、旦那さんの扶養家族だとします。この奥さんは、貯蓄から投資へ、という宣伝にあせりを覚えて、これまでこつこつと貯めたお金で、昨年2008年のはじめに株式に投資を始めました。投資デビューでした。

 年の前半は多少の利益が出ていましたが、昨年の10月の株価暴落による損失にびっくりしてしまい、すべての株式を2008年末に売却して手仕舞いをしました。

 それによる発生の損は10万円。痛いですね。

 自己責任といわれてはいても、最悪のタイミングでの投資を初めてしまったと、落ち込みながらも、なんとここの損を補填してくれる制度はないかと思っていたところ、これまで説明してきました株式譲渡損の繰越控除の制度があることを知り、確定申告をして、今年2009年以降もう一度投資を始めて利益を出して一部を取り戻そうと考えました。

こういうケースの場合、何が注意点だと思いますか?
 よく、所得税の扶養対象の方、この例であれば奥様は、パートなどの収入が103万円以下なら旦那さんも含めて税金上の影響がない、といわれています。

 これは、基礎控除といわれるどんな所得にも使える控除が38万円、お勤めやパートなどの収入の控除に使える給与所得控除が最低65万円、合わせて103万円の税額控除があります。つまり、扶養対象者が103万円以下の収入であれば、その方の課税所得はゼロ、ということです。

 もし、この例のケースで2009年に利益がめでたく45万円出たとすると、基礎控除で38万円、繰越損失控除で7万円控除されると所得ゼロ、セーフというように思えますが、実は、夫側の配偶者控除の対象になるかならないかの妻の所得のありなしは「合計所得金額」、つまり、繰越損失控除をする前で判定するので、実際は合計所得金額45万円−38万円=7万円の所得があることになり、旦那さんの扶養から外れてしまいます。

 旦那さんの所得計算の中では、配偶者控除38万円を使っていましたが、奥さんに所得があると使えなくなって、結果的に旦那さんの税負担が増えることになります。

 特定口座の源泉徴収あり、の口座で奥さんが投資をして、利益が出て源泉徴収をされていう状態である限りは、この利益分は配偶者控除には影響を与えませんが、一旦奥さんが確定申告をして所得あり、という状態になると配偶者控除に影響がでることになります。

 また、今日は触れませんが、所得の大きさによっては、所得税だけでなく、健康保険や児童手当なども影響が出る場合がありますので、この点だけは、アドバイスをされるときに、ぜひ注意をしていいただければと思います。

 ここまで大丈夫でしょうか?

 ポイントとしては、3年間の繰越損失控除を受けるためには、確定申告を続ける必要があること、配偶者控除に影響を与える可能性があるのでその影響をよく見定めること、でしたね。

 さて、最後になりますが、税率についても一応触れておきましょう。

 これまで、所得税が還付される、という話をしてきましたが、いくら戻るのか、ということには触れてきませんでした。

 2008年の株式譲渡所得や株式投資信託譲渡所得に対する税率は10%でした。

 では、2009年はどうか、というと....ちょっと微妙です。

 現行法では、譲渡所得500万円までは10%、それを超えた分は20%、ということになっていますが、今検討されている税制改正案では、10%の特例を平成23年、2011年まで継続する、という案が出されています。

 最終的に国会承認されて確定するまではわかりませんが、500万円以下の所得であれば10%で済む、ということはいえそうです。つまり、少なくとも2009年に利益を出せば10%の節税効果はあるといえます。


 また、これは昨年から決まっていたことですが、2009年から株式の配当利益も、株式等の譲渡損失と相殺することが可能になります。

 特定口座内で自動的に計算してくれるようになるのは来年、つまり2010年からになるようですが、金融所得の一体課税に向けた動きのひとつとして決まっています。これは、売却によって得る利益以外の配当所得でも株式等譲渡損失繰越控除を使える範囲が広がることになりますので、ますます、2008年の損失を確定申告して恩典を受ける効果が期待できることを意味します。

 三回にわたってお送りしてきましたが、いかがだったでしょうか?

 是非、この「上場株式等譲渡損失繰越控除」の制度を理解・整理してもうじき始める確定申告にご活用いただければと思います。

                               以上
(コラム【目次】はこちら!)

株式会社プロFPJapan所属・FP富田ラッキー

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